あるもくろみ

ドルカスには、どうしても外せない講座がある。その一つが夜間の昆虫採集。

いつものように、昆虫好きメンバーが集まって、樹液の出ているコナラやミズナラの木が数十本ある採集地に向かった。

懐中電灯の光を当てた先に、樹液に集まったカブトやクワガタを発見した時の感動は、年齢に関係なく、昆虫が好きなものにとっては容易に理解できる。しかしながら、そうではない者、特に虫の嫌いな母親であれば、まず理解はできないであろう。もちろんどちらも責められる事ではないのだが…

さて今回は、採集に当たって、あるもくろみがあった。それは、子ども達が、昆虫を採集した瞬間の、喜びの一瞬を写真に撮ろうという計画だ。きっと普段見られないような、豊かな表情になるに違いない!そんな確信が有った。

最高の笑顔が見られるか?何とも言えない満足げな表情となるのか?やったー!とおもわず叫ぶのか?

いずれも違った。

笑顔?とんでもない。

ファインダーを通して写る彼らの表情は、とっても真剣なのだ。

彼らはいつの間にか子どもからハンターに変わっていたのだ。