2013年
7月
25日
木
火のついているローソクの前から、息を吹きかける。当然火は消えるが、ローソクの前にペットボトルを置き、同様にして息を吹きかけるとどうなるか?
ほとんどの子ども達は『消えない!』という意見になる。
だから、やってみせると『え?どうして消えるの?』という顔になり、予想外の結果に、一瞬の沈黙が訪れる。
当然、空気の流れは見ることができない。では、どうするか?
たくさんのローソクを並べ、その前に色々な立体を置いて、息を吹きかけてみる。
間接的ではあるが、火が消えたり、揺れたりする事で、空気の流れを“見る”ことができるようになる。ブレインでの実験の様子だ。
子どもには本来『知的好奇心』が備わっている。
だからこそ、知りたいことは何でも質問し、分からないことはなんとか確かめようとする。面白そうなこと、やったことのないことには、何でも興味を示し、とにかく自分でやってみようとする。もちろん、好みも強さも方向も、様々ではあるが。
残念なことに、この学びの源とも言える知的好奇心は、成長するにしたがって弱くなってしまうのは、なぜだろう。はっきりしていることは、使わなければ衰えてしまうと言うことだ。
しかも、その状態が分かり難いからやっかいだ。なぜなら見ることも数値化する事もできないのだから。
しかしながら、それを見る方法はある。
子どもを自然の中に連れ出せばいいのだ。たっぷりと時間をとり、自由度の高い環境に置けば見える。子ども達の知的好奇心によって、色々なものが揺り動かされ、影響を受けるからだ。
少なくとも、私はいつもそうして観ているし、彼らは知らず知らずの内に、こうして磨いているのだ。
2013年
7月
20日
土
ドルカスの1日の講座で、一体どの位写真を撮るだろうか?
参加人数にもよるが、平均40~50枚。
もちろん私は写真家ではないので、シャッターを押す目的がきっと異なるにちがいない。
全体の状況が分かるような光景、個人の個性や生き生きとした表情がよく出た瞬間、普段見られないような状況など、おそらく無意識にそうした思考・判断をしてシャッターを押しているような気がする。
先日の講座で、友人と伊豆から初参加したY君は、どちらかと言えば無口で、穏やかな性格だ。
だから、参加メンバー10名中、8名は初対面であり、その多くは上級生であったから、すぐにはうち解けないのも無理はない。
水遊びでからだが冷えた頃、焚き火で焼いたトウモロコシをおやつに食べたのだが、Y君と友人のK君は、みんなから少し離れた大きな岩の上でトウモロコシをほおばっていた。その時、6年生のKO君が「ねえねえ、Y君とK君は同じクラスなの?」と話しかけながら、少し距離をとって同じ岩に座った。私はすかさずシャッターを切る。(写真はその時のもの)
また、しばらくして、水遊びをしていた、たった一人の女子Hさん(3年生)に、腰を曲げ、彼女と同じ目の高さで、何かを話しかけているKO君の姿が目に入った。再びカメラを向けた。(その時の写真は次のもの) 少し離れていたので、分かりにくいかもしれないが、写真中央にその様子が写っている。
今、この二枚の写真の題をどうしようかと迷っている。
『KO君の優しい思いやり発見!』『心配りのできるKO君』『全体を見渡せる視点と優しさを持ったKO君』…
いずれにしても、私にとっては、大切なスクープ写真となった。
2013年
7月
16日
火
曇天ではあったが、気温も湿度もかなり高く、じっとしていてもシャツが汗でぬれていくのがよく分かる。
まずは、河川敷に下りて目的のオパールを探す。とは言っても、すでに、沢ガニや小魚、オタマジャクシに気を奪われている者もいた。
「せっかく来たんだから、オパールを探しなさい!」。などとは言わない。なぜなら彼らにとって、こうした生物は、オパール以上の価値があるのだから。
一方では、真剣に目を輝かせながらオパールを探す者もいる。ほとんどは、白か青のオパールが中心で、所謂、虹色に輝く『遊色のオパール』はなかなか見つからない。それでも2人が発見し、私の方が驚かされてしまった。
さて、ひとしきり採集を行った後、昼食をはさんで、いよいよ秘密のプールに向かう。
これまで何年間も通ってはいるが、そこで誰かが泳いでいたり遊んでいたりするのを見たことは一度もない。
だから秘密のプールであり、ドルカス専用のプールのようでもある。
自然に囲まれ、誰に気兼ねすることもなく、おもいっきり楽しむ事ができる、最高の環境だ。だた一点を除けば…
その一点とは、つまり誰も行かない=道がないという問題だ。草が生い茂っている。
道がなければ作ればよい。まさにドルカスの得意分野だ!
2013年
7月
15日
月
伊豆から三島に出て、浜松まで新幹線に乗ってやって来た!
小学3年生の2名だけで。
ドルカスの講座『オパールの採集&川遊び』に参加するためだ。
朝、8時51分、連絡の通り、6両目の前方から2人そろって元気よく下りてきた。
K君はドルカス歴3年目、もう1人のY君は初めての参加である。
いつもは母親が運転する車でやってくるK君だが、今日は、一段とたくましくなったように感じられた。
『やったらできた!』がまた1つ増えたからなのかもしれない。これは自信の材料だから。
彼らにとって今回の挑戦は、新たな展開をもたらすに違いない。
毎日、決められた内容をこなしたり、守られた環境での生活ばかりでは、当然“事件”が起きることはない。つまり、子ども達にとって負荷のかからない環境は、決して彼らをたくましく育てることにはならないのだ。
しかし、何か新たな事に挑戦すれば、よいことも、悪いことも含め、色々なことが起こる。それが自分を知るきっかけになったり、自信をつける機会になったりもするのだ。
今日彼らは、新たな事に挑戦し、そしてそれを見事にやり遂げることができた。
やらない理由や、できない理由はいくらでも考えられるだろう。しかし彼らは、そうではなくできる理由を考えて実行した。
その差は、やがて大きな違いとなって現れる。これまで29年間、その現実を見てきたからこそ言えるのだ。
2013年
7月
11日
木
結晶といえば、水晶を思い浮かべる人は、意外と多いのではないだろうか?
六角柱状の結晶はまさに鉱石の代表的存在であり、立方体の黄鉄鉱や24面体のガーネットも有名だろう。
河津での体験講座で採集した鉱物の中には、結晶というイメージには似つかない物があった。一体どんな形なのか?一言で言えば…『もさどん』なのだ!
正確には、毛状結晶と言い、まるで白い毛がもさもさ生えているような、結晶の固いイメージとは正反対の状態である。
鉱物名はモルデン沸石。
子ども達には「私のあごひげみたいに、白くてもさもさしている物があるからよーく探してみよう!」と呼びかけた。
初めは、そんな物があるのかと不思議そうな表情をしていたが、しばらくすると、あちこちから「あった!あった!」と声が上がる。それを手に、うれしそうに駆け寄る子どもの顔をみて、「やったね!もさどんだ!」と何気なく言った事が始まりとなり、その瞬間から、モルデン沸石は『もさどん』になってしまった。
ドルカスの目的は、自然を切り取って正確なラベルをつけることではない。だからそれでいいのだ。むしろ、自然のかけらを通して、その奥深さや不思議さ、複雑なつながりを感じることが大切なのだ。
ちなみに、写真に写っている緑色の部分はセラドン石、毛状がモルデン沸石、そして、鋭くとがった結晶が、方解石の犬牙状結晶である。
2013年
7月
07日
日
三島・伊豆お試し二日目。
心配したお天気も、どうやら雨は降りそうもなく、うまくいけば晴れ間が見えるのではと思えるような雲行きだ。雨が降らないのはありがたいことだが、できれば、せめて午前中だけでも晴れてくれないだろうかと、勝手な願いとは思いつつも、願わずにはいられない気持ちだった。
と言うのも、現地で採集する予定の沸石を中心とする鉱石の多くが、キラキラ輝く美しい物が多く、中でも、その名の通り結晶が大変美しい輝沸石が採れるのだ。
だからこそ、太陽の光に輝く、まるで宝石のような鉱石を自ら発見し採集する感動を味わってもらいたいと思ったからなのだ。
そして願いは通じた!
モルデン沸石、束沸石、セラドン石、犬牙状方解石、ダキアルディ沸石等、初心者にはかなり高度な内容ではあるが、キラキラ!をたくさん採集する事ができた。
2013年
7月
05日
金
三島・伊豆 お試し講座初日。
傾斜の急な坂道を下ること約300m。2人並んでは歩けない程の山道で、しかも雑草が胸の高さにまで迫っている。
晴天でありながらも、大きな木の森の中は暗いし湿度も高い。初めての子ども達には不安が募るのか、誰もが黙々と歩き付いてくる。
なんとか下りきると最後に大きな倒木がお出迎え。それを乗り越えるといきなり視界が開けるのだ。
開けた場所に出た瞬間、誰かが叫んだ!
「オー ワイルド!」
2013年
7月
03日
水
美味しい!私たちはなぜ、こう感じるのだろうか?
一体『美味しい』の定義はどんなものなのだろう。
世の中には甘党もいれば 辛党もいる。おそらく『美味しい』の基準なり定義は人それぞれ異なるものであることは容易に分かることだ。
そこでこう考えることはできないだろうか?
つまり、その人間にとって、必要な物に対し『美味しい』と感じるようになっているのだと。
もしも、有害な物や、腐っているような物に対してそう感じてしまったら、決して長生きはできないのは明白だ。人は進化の過程で、様々な物を口にして、多くの有益な情報を蓄積してきたはずだ。だからこそ、寒い地方に住む人たちは辛い物や塩分の多い物を好み、中東の人々は糖分の多いコーヒーを好んだりもする。
なぜならば、それが生きていくうえで必要だからではないだろうか。
だとすれば、世の多くの特にお母さん方に考えて頂きたい。
子ども達がなぜ、遊びを『楽しい!』と感じるのかを。
先日、三島、伊豆の子ども達を対象に体験講座を開催した。
どこの子供であっても、焚き火に熱中するのは同じだ。どれ程熱中したのかは使用したマッチの数で分かるだろう。2日間でなんと45箱!を消費。