あまいけど…

ありがたいことに、梅雨だと思えないような晴天に恵まれ、岐阜のとある山道を登った。水晶を採集するのが目的だ。やがて汗が額ににじむようになり、水分補給を呼びかけようと足を止めた。

ふと、山道の脇を見ると、真っ赤に熟れた実が目に入ってきた。

「おいしいから食べていいよ!」と声をかけると、K君が真っ先に一番大きな実を摘んで口に含んだ。「あまくてうんめ!………けど最後は苦い!!」と言いながらも、すでに次の実に手を伸ばしている!

彼は正確な味覚を持っているようだ。

ちなみに、彼は、昨年の夏、釣ったザリガニをアスファルトの熱で焼いて?食べた経験の持ち主である。

「だから、ニガイチゴ!って言うんだ。」と私。

いつから、おやつはお金を出して買うものになってしまったのだろう。

自然が少なくなったと言われるが、少なくなったのは、むしろ私たち人間の、自然に対する関心や知恵、そして自然の中にどっぷりと浸かる経験なのかもしれない。

ふと、そんなことを思いながら、みんなで、甘くてちょっぴり苦い自然のおやつを頂きました。

ごちそうさまでした!