本物の本物

落差1000㍍のヨセミテ滝。大きな岩を乗り越えてその滝つぼ近くまで行った時の、人がアリに見えてしまうほどの迫力たるや、どう表現すればいいのか語る言葉が見つからない。しかしながら、その時の写真を持ち帰り改めて見直してみても、あの雄大さは伝わって来ない。

なぜだろう?まさに本物とそうでないものとの明確な、そして厳然とした差異がそこには存在している。

つまり、本物とそうでない物との差異は、本物体験をした者にしか分からないのだ。

だからこそ、物が溢れ、情報が溢れている現代において、それが本物であるかどうかということが重要な判断・選択基準となる。

一方、何かに秀で、優れた成果を上げた人物にも『本物』という言葉が使われるが、その意味ではノーベル化学賞を受賞された野依良治博士は、まさしく本物の人物である。

その人物と膝を交え直接お話しをさせて頂き、しかも直筆でコメントまで頂くことができた雅人君は、まさに“本物”と本物体験ができた幸福者である。

それも、彼の3年間にわたる本物の努力があったからこそなのだが。

野依科学奨励賞3年連続受賞おめでとう!