自立の勲章

自分で考え、判断し、そして実行する。

自然の中での様々な遊びや体験には、そうした機会がたくさん含まれている。

たとえば、写真のようなかなりの急斜面では、登るのも大変だが、下るのはもっと緊張感が伴う。

だからこそ、情況を判断し、ルートを探りながら慎重に下りていく。

足場を確認し、つかむ樹木やその枝の太さによっては、折れる可能性も考慮に入れなければならない。落ち葉や木の根の上、粘土質の土壌なども滑りやすくて危険だ。時には先輩が手を差し伸べてくれたり、石を下に落とさないよう注意を促してくれる事もあるが、あくまで、自分の責任で最後まで下らなければならないのだ。

こうした起伏に富んだ、豊かな自然環境の中での活動には、当然、予期せぬ事や判断ミスによる擦り傷、切り傷などのケガも避けられない。また、活発な行動によって服の汚れも激しくなる。

だから、小さなケガや服の汚れは、積極的な行動の証明であり、有意義な学びの勲章でもある。

たしかに、快適な環境の中、自分で考える必要もなく、安全にテレビゲームをしていれば、ケガも服の汚れも起こらないが、それでは子供の自立に必要な、貴重な“勲章”は手に入らないのだ。